四男の就学前の療育③
4歳になり、新年度は区立T幼稚園と、通園型施設M学園にお世話になった。
現在も両方の園に通っている最中なので、感想とか考えがまとまっていない。
今のところの気持ちや、印象的だったことを書いてみる。
月・火はT幼稚園
水・木・金はM学園
T幼稚園の行事がある時は、そちらを優先する
このような形で新年度はスタートした。
T幼稚園は9時から、M学園は10時からと少しタイムラグがあり、ゆっくりなM学園の方が週3回と多かったので、少しリラックスできたが、
幼稚園の日はお弁当も用意したりするので、登園するのがバタバタと大変だった。
また、M学園へは自転車で行けるが、T幼稚園は園の決まりで徒歩で行かなければならず、園服を着た四男をバギーに乗せて歩くことに、最初は抵抗を感じた。
すれ違う通行人の目がとても気になってしまった。
しかし、四男は行きたい目的がないと歩かず、座り込んでしまうので、結局はおんぶや抱っこをすることになる。
無理してバギー無しで登園してみれば、園に着く頃には私は汗だくになった。
それでT幼稚園に行くのが大変だと私は感じることが多くなった。
幼稚園に行く目的をいつもモヤモヤと考えながら通園していた。
四男本人は2つの園生活に慣れるまで2ヶ月くらいかかった。
T幼稚園に登園すると、正門のところで介助の先生に引き渡し、私が中まで入ることは用がない限りなかった。
だいぶ慣れてからも、朝はバギーから降りるのを拒んだり、園の敷地に入りたがらない様子が見受けられた。
たまに機嫌よく中に歩いて入って行くと、ホッとして見送ることができたが、本当に珍しいことだった。
M学園の場合は、登園すると保育室まで私が連れて行く。
身支度をして遊び始めたら私は帰ろうとするのだが、それを四男は見逃さず、私の手を掴んで離そうとしなかった。
なかなか帰ることができなくて、20分くらい部屋に一緒にいたこともあった。
結局は四男が手を離した隙に、さっと帰るのだが、四男はすぐに気づいて泣いてしまった。
大きな泣き声が玄関まで聞こえていた。
でも、20分くらい泣くと落ち着いて、遊びに集中できたようだったので、切り替えの練習にはなった。
T幼稚園では、色々なことに挑戦させてもらった。
運動会や発表会のほかに、おつかいや当番の仕事もやらせてもらい、幼稚園ならではの経験をすることができた。
日々の活動は行事に向けて変化するので、遊びたいときに遊べない場合には、泣いたりしたようだった。
M学園では、落ち着いた活動内容で、ゆったりペースでだいたい同じことをするので、リラックスできるようだった。
お迎えに行くといつもニコニコで、ご機嫌だった。
一年の終わり頃、M学園で茶話会があった。
各学年の保護者が集まり、卒園児の保護者も数名来ていた。
会の後半、小さい子たちの保護者が卒園児と年長児の保護者に質問して、経験談を聞くような内容になった。
幼稚園に入園を考えている人が多く、その日の出席者の中で幼稚園も併用していたのはたまたま私だけだったので、私は介助員のことなど色々と答えたが、他の保護者(幼稚園併用せず、M学園のみ)たちの意見に掻き消されたような印象を受けた。
みんな、自分の選択を正当化したいという感じがした。
ある人は、幼稚園入園手続きを進めていたが、ギリギリになって入園しないことを決めてM学園一本にしたそうだ。
彼女は、「自分の子を守ることを優先した」と言った。
その言葉には数日間モヤモヤさせられた。
私がそこまで四男を幼稚園に行かせたかった理由。
数日間考えて、浮かんできたのは「リベンジ」。
四男は私立幼稚園を2ヶ月で退園した経験がある。
幼稚園を卒園させたいという思いは、私の中に根強く残っていたのだ。
でも、普通級に行かせたいというのとは違う。
小学校は特別支援学校にと考えていたので、あの閉鎖的な空間(当時はネガディブに捉えていた)で9年間過ごすなら、その前に幼稚園で色々な経験をさせたいという思いが一番だった。
私自身、自分の選択が正しいかどうかはわからない。
ただ、前に進むのみ。
無理だと判断したら、そこから変えていけばいい。
やらずに後悔することは避けたかった。
年長になるにあたり、登園ペースを変えることを考えた。
幼稚園には慣れたし、年長になると色々とイベントが増えるので、もう少し登園日を増やしたいと思ったのだ。
幼稚園の担任に相談した結果、新年度から週3日に増やしてみることにした。
M学園には頼りになるベテラン先生がいたのだが、3月に退職し、魅力が減った感じもしていた。
そして、幼稚園の修了対策委員を引き受けたこともあり、幼稚園の比重が大きい一年となった。
週3日、幼稚園に通うと、送迎のしんどい感じはだいぶ軽減された。
なぜなら、バギーに乗せることについて、人目を気にするのをやめたから。
大事なことは、本人が気分良く登園すること。
健常な子たちと関わる中で、私の障害受容もだいぶ進歩し、うちはうちと割り切って振る舞うことができるようになったのだと思う。
これはT幼稚園のおかげで得られた成長だと思っている。
担任の先生はとても熱心で、M学園での四男の様子を夏休みに見学に行ってくれたり、園生活の中で四男の興味の持てるものを色々と用意してくれたり、多忙な中、よく工夫された手作りのおもちゃも作ってくれた。
面談はもちろん、それ以外にも個別に話をする時間をよく取ってくれる。
ちょっとしたことでも、判断に迷うと私に相談してから決めてくれるので、とても安心できた。
介助の先生はほとんど同じ方が受け持ってくれた。
シフトの関係で、たまに違う先生が朝迎えてくれると、四男は途端に泣き出したり、行きたくない表現があった。
それくらい、信頼関係が築かれている。
担任も介助の先生も、発達障害、特に自閉症について調べてくれているようだった。
専門知識が少なくても、一緒に過ごす時間の中で四男のことを理解し、気持ちを汲んでくれている。
限られた保育時間の中で、四男が確実に成長していると感じることができているのは、先生方のおかげなのだ。
年長の12月、幼稚園で毎月恒例の誕生会があり、私はお誕生生の母として参加した。
舞台のあるホールで、後ろに保護者たちが座って待つと、前に子供たちが入ってきて座った。
会が始まり、お誕生生が舞台に上がる。
四男はお友だちに手を引かれて、一緒に舞台に上がった。
介助員や担任ではなく、お友だちに手を引かれる方が、歩ける傾向があると担任からは以前から聞いていた。
しかし実際にその姿を見たのは初めてで、なんだか感動して涙が出てきた。
もうそこからは、終始ウルウルしてしまい、6歳を迎えた四男の成長を心からありがたく思った。