四男の就学前の療育①
四男は先日6歳になった年長さん。
3歳児健診の後に知的障害を伴う自閉症スペクトラムと診断された。
療育について色々と書きたいことはあったけど、なかなかまとまらなさそうだったので、手を付けずに今まで来てしまった。
来春から特別支援学校に入学するのを機に、利用する療育も変わってくるということで、就学前の療育について、体験談を少しまとめてみようと思う。
まずは3歳児健診の後、区の福祉センターで発達検査を受け、診断を受けたと同時に、すぐにスタートするよう勧められたのが最初の療育だ。
福祉センターでは就学前の子供たちを対象に、数名のグループで受ける療育や個別に受ける療育が行われている。
四男はグループ療育を週一回受けるよう言われた。
療育を受ける子以外は連れて行けないという決まりがあり、生後3ヶ月の長女を義母(当時住み込みで働いていた)に無理を言って預け、何もわからないまま、2月の終わる頃、指定された日時に福祉センターに行った。
そこでの療育は親子で一緒に受けるもので、一回1時間ほど、決まったプログラムに沿って時間通りに色々なことをした。
最初から印象的だったのは、一つ一つのプログラムの終わりに先生が「おしまい」のサイン(後にマカトンサインと知る)をすることだった。
切り替えの苦手な子が多いので、次のプログラムに移るための配慮だった。
この「おしまい」サインは今でも使用している。
四男もよく理解しているし、切替が難しい場面でもパニックが最小限に抑えられるような気がする。
プログラムの一つに用意されたおもちゃで自由に遊ばせらというのがあり、そこでは関わり方の工夫を教わることができた。
衝撃だった。
子供と一緒に遊ぶのにこんなに頭を使うなんて。
四男が遊びの中でやろうとしていることを読み取り、それを手助けしたり、逆に邪魔をしたり、敢えてワンクッション入れて「どうぞ」などのコミュニケーションを取ったり。
当時は人と目を合わせなかった四男に、人を意識させるために、そのような工夫を遊びながらするなんて、放ったらかし育児専門の私にはとても難しいことに思えたし、とても勉強になった。
長女のことはファミリーサポートの方に預けられるようになり、毎週自転車で通うのにも慣れてきた頃、四男は兄たちと同じ近所の私立幼稚園に入園した。
週一回の療育は継続しつつ、幼稚園での生活も始まったが、介助員を入れない幼稚園なので、先生を一人独占してしまう形になり、5月の終わりに退園するよう告げられ、その日を最後に退園した。
その頃にはグループ療育で親子分離の時間を持つようになり、その間他のお母さんたちとの交流の時間が少しだけあった。
色々な体験談などを聞き、障害の大変さを感じたし、共感してくれる人がいることがいることが嬉しかった。
他のお母さんたちと仲良くなってきたし、グループ療育は楽しみであったけど、たったの1時間のために片道25分の道のりは遠く、産後間もなかったこともあって、私は段々に疲弊していった。
幼稚園はたったの2ヶ月だったけど、ほんの数時間でも四男を預かってもらえてとても助かった。
四男を連れてだと、銀行に振り込みに行くことすらためらっていたから。
だから、どこか四男を預かってくれる施設はないかと考えるようになった。
グループ療育の担当の先生に、幼稚園を退園したことを告げ、その後のことを相談すると、通園型の療育施設をいくつか紹介してくれた。
自宅から近い施設から電話で問い合わせ、見学の予約をし、7月から送迎付きのデイサービスを利用することに決めた。
まだ新しい施設で、建物はピカピカ、中規模の法人が運営しているので安心感はあった。
福祉センターの療育も継続するかどうか、悩んだ末に6月いっぱいで辞めることにした。
曜日ごとに違うと、本人が混乱する可能性があるから、一ヶ所に絞った方がいいと先生に助言され、そんなものかと従うことにした。
他のお母さんたちに辞めることを報告すると、長くグループ療育を受けていたお母さんに、「みんなそうやって辞めていくんだよ」と言われた。
一度辞めると戻れないので、辞めるのを躊躇う人も多いそうだ。
当時の私は他の療育を知らなかったので、福祉センターの療育がいかにキチキチとしていたか、今になってみるとあのような療育はなかなかないのではないかと思う。
先生も熟練した方が何人もいて、とても信頼できた。
しかし、その信頼する先生に言われたことだから、間違ってはいないと信じて進むことにした。
「皆さん続けようとしてくださるけど、ここは療育の入り口。お母さんが無理してまで続けることはない。四男ちゃんは新しい環境に慣れるし、そこで学んでいきますよ。」
療育を必要とする方は他にもたくさんいるから、枠を空けてほしいのかなとも思った。
ともかく、福祉センターの療育はとてもためになったけど、私の都合により辞めることになり、児童デイサービスでの日々が始まる。
長くなったので続きはまた今度。